拙僧の若い頃は “オーディオブーム” の最盛期だった。
 セット機種もあったが、凝りだすとコンポーネントを組みたくなる。
 拙僧は、プレーヤーはパイオニアのPL-1400CにカートリッジはソニーのXL-15、シュアーtypeⅢ、エンパイア4000-D1などを交互に付け替え、音の違いを楽しんでいた。
 アンプはパイオニアとサンスイの何機種かを交互に。
 スピーカーはLoD、ヤマハNS、サンスイ、自作したフォステクスのフルレンジ、メーカーは忘れたがデンマーク?の物をアンプに繋ぎ変えては使用。
 チューナーはテクニクスを使っていた。

pl-1400
【 拙僧が使っていたパイオニアのPL-1400C 】

 やがて音源がアナログからデジタルに変わる時代になり、コンポにCDプレーヤー加えてを2~3年は 「音」 を楽しんだと思う。

 その内に子供たちが生まれ育つにつれ、“じっくりと音楽を楽しむ環境や時間” が減少しだす。
 すると部屋のかなりの面積を占有しているオーディオ製品が、徐々に “邪魔っ気” に。
 そしてついに廃棄。
 その後はラジカセやPC、最近はスマホで、“こじんまりと” 音楽を楽しんでいた。

 ところがここ数年、得体の知れないオーディオ用語が気に成りだした。
 「ハイレゾ」 である。
 “ハイレゾってなんだ?” と興味を持ったが、若い頃に大金を費やした挙句に廃棄処分したオーディオである。
 再び凝ってしまうのが怖かったので避けていた。
 ところが否が応でも、TV、ネット、雑誌、新聞などのメディアをとおして情報が入ってくる。

キャプチャ
【 問題はこの水色の部分なんだが・・・ 】

 *CD音源の周波数は上限が22kHzであるのに対し、ハイレゾ音源の上限は96kHzなので、音域が広く臨場感(音に広がり)が格段に良い!

 *CD音源が16ビットなので、1秒間の音を65,536(2の16乗)階調で表現しているのに対し、ハイレゾ音源は24ビット、1秒間の音を16,780,000(2の24乗)階調で表現している。これは10mの高さを登る階段を、65,536段と16,780,000段の二つ想像してほしい。
 当然ハイレゾの方が段差は低く、滑らかな坂に近い階段となる。このことは、自然界の音は階段では無く滑らかな曲線(波)をなしていることから、ハイレゾ音源の方がより自然に近い滑らかな音になるということである。

 などの情報が拙僧には入ってきていた。
 “凄いテクノロジーじゃん。音源革命じゃん”
 実際のハイレゾを体感したい。でも体感しちゃうと・・・。
 ここ数年、悶々としていたのだが・・・、

 ついに昨日、パンドラの箱を開けるつもりで某電気店へ行き体感してみた。
 音源はメーカーが配布したデモ用のものだ。
 音源の出所に不足はない。

 店員さんが徐々にボリュームを上げてゆく、
 期待に胸を膨らませ、拙僧が音に全神経を集中した。
 ???、ええぇ~、違いがわからない。
 期待は見事に打ち砕かれた。

 考えてみれば、
 拙僧に聞き取れる周波数は、60歳代の中盤なのでせいぜい16~17kHzだろう。
 16ビットが24ビットに成ったって、人間が感じ取れる能力を超えた世界のことなのでは?

 電気店から雲水庵に戻り、つくづく思った。
 良かったなぁ~!


 期待が外れて! (゚∀゚)アヒャヒャ