拙僧は “海辺の町” で生まれ育ったこともあってか、幼い頃から魚が大好きだ。
 活きの良いものは “生(なま)” で、生臭い(なまぐさい)匂いがしない程度の鮮度なら “焼(やき)” で、若干生臭い匂いがしている物には日本酒をかけて匂いを抑え、生姜など香りの強い野菜などと共に煮て食す。
 いずれの食べ方であっても魚は美味い。

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【 サンマの蒲焼丼:愚妻作 】

 特にこの時季に旬を迎える “サンマ” は実に美味く、拙僧の好物中の好物である。
 拙僧が幼い頃は輸送環境の問題からか?、北海道や東北から遠く離れた当地では、サンマは “塩焼き” で食す品(塩漬け)しかなかった。
 それがいつのころからか当地でも、生(お刺身)で食することのできる鮮度の良いサンマが手に入るようになった。
 お刺身に、握り寿司に、焼きに、甘辛煮に・・・。
 とにかく拙僧は、秋はサンマを楽しんでいたのだが・・・。

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 いま、サンマが獲れない。
 どこに行っても魚群が見つかりにくく、このままでは過去最低水準だった昨年の漁獲量を下回るかも知れないと言う。
 “獲れない” と言うこと以上に拙僧が気になっているのは、獲れても痩せ型中心で組成が悪いということだ。
 以前のように、太く、青黒い背で、黒目の周りが透明で、口先の黄色い、そんなサンマが居ないのだとか・・・。

【 サンマの不漁を伝えるTV報道 】

 とにかく今は、海も陸も空も異変が続いている。
 そんな異変とサンマの不漁が関係しているかも知れない・・・。
 だとしたら、旬だの、美味いマズイだのと呑気なことは言っていられなくなる。

 サンマも、鰻も、クロマグロも・・・、 
 この先どうなっちゃうのかなぁ・・・。 
 良し!もう決めた。 

 美味いとかマズイとか贅沢は言わず、 
 喰えるときに喰っちゃおう!!