気象庁のHPにある “平成22年度の梅雨入りと梅雨明け(速報値)” を見ると、未だに沖縄地方と奄美地方の梅雨明けしか明記していない。友人から、拙僧たちが東京旅行をしている間に東海地方は梅雨が明けたという情報を聞いたが、気象庁のHPを見る限り当地の梅雨明けはまだのようである。それはそれとして、拙宅のある遠州地域は7/14日のブログに記したように、もうすっかり “夏” である。

 三日ぶりに蝉の大合唱で目が覚めた。若干、東京旅行の疲れが残っているが、朝陽で目が覚めるのは気持ちが良い。AM6:00前に起きて花に水をやる。三日間留守にしていたので、あさがおの蔓が随分延びていた(毎日の水やりは長女に頼んであった)。 朝食を済ませてあさがおの整枝をしたが、早朝から汗が流れる。今日も随分暑くなりそうだ。見上げると空は真っ青。 “ハマボウの花がそろそろ見頃だろう。

はまぼう-1.jpg “ハマボウ” という花木がある。  葵(あおい)科に属していて、学名を “ハイビスカス ハマボウ” と言い、オランダ医のシーボルトが名付けたと言われている。開花時期は、 7/中頃~8/初頃で、海岸や汽水域に自生する花木である。海岸線の開発にともない生息地が年々狭まっていて、天然状態での絶滅が危惧されている。浜に生える “ほおの木” で “ハマボウ” になったらしい。

はまぼう-2.jpg 拙宅から車で5分程走ったところに、太田川と仿僧川(ぼうそうがわ)が合流して太平洋に注ぐポイントがある。かつては、この仿僧川河口にハマボウが群生していた。研究者たちの調査により、樹木の大きさでは日本一の大きさだと判明していたものである。

 平成8年を完成予定に、仿僧川河口に津波の遡上を食い止めるための水門が建設されることになった。その水門の建設地がハマボウの群生地と競合してしまい、平成元ハマボウ1.jpg年、当時の福田町は群生地近くの町有地に、ハマボウ43本を移植し“ハマボウ公園” として整備した。

 この時期、ハマボウ公園に行けば必ず会える。先日7/10日に開花の様子を見に行ったときには、公園全体の花を数えても一桁程度であった。 “今日当たりは見頃だろう!” 一眼レフとミネラルウオーター、汗拭きタオルを持って車で出かけた。

ハマボウ4.jpg ハマボウ公園に着くと、案の定ハマボウは一斉に花を開き、真っ青な空にバンザイをしているかのように咲き誇っていた。 森の中や外周を歩いて観て回ったが、以前移植した当時と比べると、花弁が小さくなっているようで心配である。

 拙僧は、“ハマボウは、夏の水辺に咲くのが一番美しい。” と思っている。残念ながら、仿僧川河口の水面に一斉に鮮やかな黄色い花を映す姿は観られなくなってしまったが、人の手により仿僧川中流部の岸に植樹されたハマボウがある。せっかくなのでハマボウ公園からその場所へ移動することにした。

DSC02659.jpg その場所は、仿僧川に架かる “東橋” の上流部右岸にある。このポイントから上流ハマボウ5.jpg500m程の右岸側に、いつ頃か人の手によって沢山のハマボウが植樹されたらしい。その殆んどは自生ではないが、“水辺に群生するハマボウ” が観られる。 そんな場所柄から、東橋に併設されたアーチ型の歩道橋は “ハマボウ橋” と名付けられ、多くの人に利用され、親しまれている。